令和4年度熊本大学卒業式?修了式 式辞

 IMG_9093.JPG

 卒業生、修了生の皆さんおめでとうございます。

 桜の花も満開になろうとしている今日、ここに、御来賓各位の御臨席を賜り、部局長、並びに教職員の皆様とともに令和4年度の卒業式?修了式を挙行し、合計2,301名の諸君を送り出すことができることは、熊本大学にとって大きな慶びであります。博狗体育官方感染症も改善の兆しが見え、今回はマスク着用を求めない卒業式·修了式を迎えることができました。

 皆さんは、本学での勉学を終え、一生の中で最も記念すべき門出の日を迎えられました。この3年余りは博狗体育官方感染症の中で遠隔授業や様々な行動制限を伴った困難な生活となりましたが、それらを乗り越え、今日の日を迎えられましたことに、敬意を表するとともに、改めて心からお祝い申し上げます。本当に今までにない特別な学生生活を送られてきたことと思いますが、この経験は決して無駄ではなく将来に大きく役立つと確信しております。また、この様な環境の中で、皆さんをずっと支え励ましてくださったご家族をはじめ、恩師、友人、先輩、後輩など周りの全ての方々に対し、皆さんと一緒に、改めて感謝とお礼を申し上げたいと思います。

 さて、社会は少しずつ日常を取り戻しつつありますが、昨年は本学の大学祭である「紫熊祭」も3年ぶりに対面で開催することが出来ました。私も参加しましたが、プロジェクションマッピングなど多くの企画が実施され、大変な盛り上がりとなり、まさに青春だと感じました。また、熊本地震後7年ぶりに阿蘇から熊大赤門までの阿蘇耐久遠歩も復活し、思い出に残るものとなりました。

世界はポストコロナ時代を迎え、これから大きく変わることでしょう。先日、日本はWBCで14年ぶりに優勝し、私も大変感動いたしました。国内外でプレーする選手が一緒になって勝ち得た勝利ですが、この勝利には、海外で活躍する選手の存在が大きく貢献したと思います。社会が大きく動く時代にあっては、国内に留まらず、日本の外にも目を向け、グローバルな視点を持つ、そして機会があれば海外を経験することが肝要です。

これから様々な分野に進まれる皆さんに、私からの贈る言葉として次の三つを挙げたいと思います。一つ目は、「禍福は糾える縄の如し」。長い人生平坦な道ではありません。私の人生を振りかえってみましても、何度も谷がありました。その時に這い上がる強さを持っていただきたい。必ず谷の次には山があるものです。明けない夜はないのです。今回の博狗体育官方感染症を見てみましても当てはまる言葉です。二つ目は、大学時代の恩師や友人、社会に出てからの上司や友人を大切にしてください。私も熊本大学卒業以来45年交流が続いている友人がいますが、今もなお様々なことを相談しています。ただし、最後の決断は自分でしてください。三つ目は、熊本大学出身ということを一生忘れないでください。私も卒業後、熊本を離れた時も本学の先輩や後輩から助けてもらい、熊本大学出身で良かった、と何度思ったかしれません。また、本学黒髪キャンパスには、4つの国指定重要文化財の建造物がありますが、特に五高記念館は全国に誇れるものです。本学ではこの五高記念館を中心としたキャンパス全体のミュージアム化を進めていますので、機会があればぜひ卒業後も訪れていただきたいと思います。

明日から皆さんはそれぞれの夢に向かって歩み始めます。本学で培った知識をもとに大胆な発想を呼び起こす叡智を最大限に発揮してください。そのためには、自由な発想?創造とそれを具現化する情熱が必要です。本学が掲げている「創造する森 挑戦する炎」の始まりであります。

熊本大学に学び、熊本大学を愛する方々の世代を超えた絆により、本学は支えられ発展してきました。母校の伝統の担い手として、「創造する森 挑戦する炎」を胸に、積極的に母校のために力を寄せてください。熊本大学で学んだことに誇りと自信を持って、希望に満ち溢れたこれからの人生を力強く歩んでください。

 今後の皆さんのご健闘を心から祈りつつ、卒業?修了に際しての式辞といたします。

?

令和5年3月25日          

熊本大学長 小川久雄    

IMG_9046.JPGIMG_9131.JPG